アジア国際交流奨学財団は、平成2年、アジア各国から日本への留学生や日本からアジア各国への留学生に対し奨学援助を行い、アジア各国で活躍する人材を養成して、日本とアジア各国との国際交流と友好親善に寄与することを目的として、故川口静氏の遺産の一部の拠出を受ける形で設立されました。
アジアには多くの民族・国家が存在しており、その多くは近代化の途を模索し、あるいは既にその途上にあります。先進的な技術や知識を学ぶため、アジア地域の多くの学生が日本への留学を希望しています。一方、日本では国際化の進展に伴い、アジアに対する関心が急速に高まりつつあります。
日本政府も近年、人口の減少と少子高齢化により国内の働き手が減る中で、介護・看護をはじめ各産業において外国人の受け入れを増やす必要性を認識し始めており、既に国の施策方針として留学生の受け入れ規模を拡大しています。
しかし、特にアジア各国からの留学生については、経済格差等の要因により、すべてが恵まれた条件の下に勉学を続けているとは言うことができません。志を持ち期待を胸に来日したにもかかわらず、勉学に専念できない者が後を絶たず、また、こうした学生への援助はあまりにも乏しいのが現状です。
他方、日本の国際化は近年ますますその速度を速め、アジアに関連する各分野において有能な人材が求められ、その養成が急務となっています。日本からアジア各国への留学生の派遣は、このような国際感覚豊かな人材の育成に向けて、国内の高等教育機関における教養学習を補完する役割を果たしています。
アジア国際交流奨学財団はこのような観点から、日本への留学生と日本からの留学生に対する経済的な援助として、「川口静記念奨学生」奨学金の支給を続けてきました。
また、真に国際親善やアジア経済発展に貢献できる人材の育成に向けて、文化解釈と実践力を重視した語学検定を実施し、国際交流の基礎となる正しい他文化理解の醸成に努めています。
1.語学検定事業
(1)実用中国語技能検定試験・HSK
(2)TOPJ実用日本語運用能力試験
2.奨学金・奨学金支給事業(川口静記念奨学生事業)
(1)外国人留学生への助成
(2)日本人留学生への助成
(3)「Asian Foundation News」の発刊
3.日本語教育事業
試験手数料収益を主な財源とする。
また、本事業の実施にあたり、本法人の所有する建物および附属設備、コンピューターソフトウェアが必要となる。
試験事業の募集・受付部分については、磯子、高知南、大津清陵、豊川高校、杭州日本学校等の学校法人、国外においては、ハノイ国家大学、フェ大学、フェ師範短期大学、ダナン大学外国語大学、、カント大学、トンズー日本語学校、MAJA、JALTAN、コンケン大学他の当財団が認めた関係団体に委託している。